2009年06月23日 第4回奥川恒治の会「山姥」2過去のHana

女が自身の正体を明かし、かき消す如くに姿を消したところで前半は終わりました。

さて その続きは!

半信半疑だった遊女でしたが月光の中、山姥(後シテ)はその真の姿を現します。山姥は壮大な山の景色を描写し、善悪正邪の差別はないとする平等観と、差別観から見た種々の森羅万象を説きます。その風貌は雪のかかった茨のような白髪、星の如く輝く眼、朱塗りの鬼瓦のような顔色で、「鬼女」と聞いていた通りの恐ろしい姿なのです。が、「恐れることはない」と言う山姥の言葉に遊女は謡うのでした。

「よし足引きの山姥が 山廻りするぞ苦しき」
(山姥は山廻りに苦しみ、人は善悪の差別観に捉われて六道の輪廻に苦しむ)

山の起こり、海の始まりから自然観を語り、山姥自身の核心へと迫ります。雲の如く自在な身を方...続きを読む

2009年06月09日 第4回奥川恒治の会「山姥」1過去のHana

毎年11月に催していました私の会「奥川恒治の会」を、今年は9月26日の第4土曜日に行います。場所も矢来能楽堂から水道橋の宝生能楽堂へと移し、大きな空間でスケールの大きい能「山姥」をお楽しみ戴こうと思っております。

山姥と言うと日本昔話に出てくるような恐ろしげな鬼女を思い浮かべますが、さにあらず!能の中の山姥はむしろ心優しい山の精です。荷物を持って山道を歩く人を助けたり、里まで送ったりするような存在で、仮の姿はあるものの実体は自然そのもののような気がします。

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2009年05月01日 風のいい季節過去のHana

新緑が芽吹き始めました。梅雨までの短い間ですがこの季節は特に好きな季節です。みずみずしい若葉は生命力に溢れた力強さを感じさせてくれ、パワーを貰える気がします。でも大好きな理由はそれだけではなく、むしろこの季節の風の匂いなんです。何とも言えず心穏やかになる気がします。

先月になりましたが、のうのう能で「鵺」を務めさせて戴きました。私の希望で前シテはちょっと変わった色目の装束にさせて戴きました。ご覧戴きました方でご意見やご感想がありましたら、教えていただけますとありがたいです。

私はあまり一曲について再演をする機会がないのですが、再演と言うのは初演の時と違って一度走ったことのあるコースをもう一度走るような感じがしました。ゴールを一度経験しているのでなんとなく舞っていましても落着きがいい気がします。再演、再々演と重ねて、一曲の味わいを深く...続きを読む

2009年04月07日 新年度スタート過去のHana

桜の便りも届く季節となりました。春は何ということもなく心浮き立つ気がします。まだいささか肌寒い日もありますが、春の陽射しは心踊ります。

先月は九皐会で「雲林院」を務め、一足早い桜の便りになりました。今月4月は24日金曜日に のうのう能 で「鵺」を上演させて戴きます。鵺は一度九皐会で舞わせて戴いておりますが、再演にあたって新たな解釈や可能性を模索しつつ務めたいと思っております。能の不思議にも面白いところは、再演、再々演と重ねる度に新しい発見、出会いが曲ごとにあるところです。再演の鵺ではどんなことと出会えるか、とても楽しみです。のうのう能は夜の公演ですから、お仕事の帰りにもお楽しみ戴け、解説も充実していますので観能初心者の方も入りやすいと思います。当ホームページからも入場券を承りますので、ぜひお出掛けください。

新年度も始まり新しい...続きを読む

2009年03月13日 春宵一刻値千金過去のHana

三月も半ばを過ぎ日に日に春らしさを増して来る今日この頃、桜の待ち遠しい季節になりました。

三月一日には社中「華友会」の春季大会を盛会に催すことができました。ご出演の皆様はそれぞれに日頃のお稽古の成果を十分に発揮され、ご自身の役を全うされました。技芸のステップアップはもとより、精神的な強さや向上を身に付けられたように感じました。当初の目的であった会に出演して達成感や充実感をあじわうという事は十分に達成できたように思います。本当に喜ばしい限りでした。

一週後の日曜日は私の番で九皐会で雲林院を舞わせて戴きました。前シテは友閑作の「阿古父尉」、後シテは洞水作の「なりひら」という九皐会の名物名品で務めさせて戴きました。昨年の私の会では業平の奥さんを主人公にした「井筒」を、今回は夫の業平を主人公にした「雲林院」を舞わせて戴き、なんとも不思議な縁...続きを読む

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観世流能楽師 奥川恒治能のHana

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