Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2017.05.30お稽古のこと...

ベテランのお弟子さんとお話ししていて。長くお稽古を続けていると、大方の曲もお稽古が済んでしまいます。段々と新しくお稽古する曲も限られてきて、選曲に難儀するわけです。ちょっとご提案をして、以前にもお稽古した曲を再びお稽古してみました。これがことの他面白い。やる曲がなくなっての2巡目ではなく、改めて向き合う2順目は価値が変わります。1度目のお稽古は部屋の扉を開けたとすなら、2度目は部屋に入って中を探索する感じでしょうか。最初は中を見て、その景色を楽しみますが、2度目は中に入り大きさや広さを実感します。また、5年、10年経ちますと、その人個人の感性や物の見方も変わりますので、同じものを見ても、感じ方が全く変わるとも言えます。奥行きを知り、時々の自身の感性と合わせて楽しむ、能の持つ奥行きの深さが、華を添えるようです。

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