Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2017.07.05コラム...

下掛宝生流脇方の鏑木岑男先生の告別式でした。若い頃からお世話になっておりまして、明るく豪快に笑っていらっしゃる笑顔がとても素敵でした。私のこともコウジと言う名前なので、「コーチャン」と呼んでくださり、なにやら誇らしく、お食事のお供も幾度となくさせていただきました。能楽師としましても、薪能を主催されるなど、そのご活躍は精力的なものでした。
第一線を退かれた後、お目にかかる機会も減り、近年はほとんどお会いすることもなく、今日にいたりました。
20代の頃と50になった今では、お見送りする心持ちも大きく変わりました。遠い未來ではなく、やがて訪れる現実、そんな風に思うようになりました。鏑木先生なら笑い飛ばして、「難しく考えなくて大丈夫だよ」と言っていただけそうですが。それがもう、あのキラキラした笑顔にお目にかかれないと思いますと、寂しい限りです。多くのことを学ばせていただきました。感謝申し上げ、慎んでご冥福をお祈り申し上げます。合掌

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