Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2008.09.01過去のHana浮舟」を上演します

10月2日(木)に鎌倉の舞台で「浮舟」を上演致します。
今年は源氏物語千年紀にもあたり、源氏ゆかりの曲はぜひ務めたかったので、浮舟を上演できますことは嬉しい限りです。

宇治十帖の中にあります浮舟・薫・匂宮の物語は光源氏から見ますと孫、第三世代になります。恋のあり方につきましても源氏の頃とは随分様子が違うようで、薫が大切にしていると知りながら、自身の思いを止める事ができない匂宮。また、頼りになる薫を解りつつもどこかで匂宮に惹かれてしまう浮舟。周囲の人も巻き込み次第に追い詰められていく浮舟がとる哀れな結末。浮舟自身が望んだ不幸ではないことを思いますと、気の毒ではあります。

能「浮舟」は在りし日の浮舟自身を、寄り所の定まらない柴積舟に喩え、薫と匂宮の間に挟まれ苦悩した日々を、罪と思い続けている女性として現れます。源氏物語の中では浮舟の件は曖昧なままに余情を残し終わりますが、能の中では都率天に生まれ変わることができます。現世での苦悩を思いますと、救われることにいささかの安堵を覚えます。

鎌倉能舞台は8月にリニューアルしました。見所も増え、皆様にご覧戴きやすくなったのではないかと思います。秋のひと時、源氏物語の世界にお運び戴けましたら幸いです。

また今回で3回目になります「能を楽しむ」は9月13日(土)13時半より蓮田中央公民館にて「浮舟」をテーマにいたします。蓮田中央公民館は蓮田駅より徒歩3分の場所です。解題・解説など致します、より深くお楽しみになりたい方はお出かけ下さい。お待ちしております。

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~能を知る会~   於:鎌倉能舞台
平成20年10月2日(木) 午後の部:14時始まり

能『浮舟』
シテ(午後):奥川恒治
ワキ:村瀬 純
アイ:遠藤博義
笛 :槻宅 聡
小鼓:古賀裕己
大鼓:柿原光博

講演「源氏物語と能(源氏物語千年の彩りの中で)」尾島政雄
狂言「萩大名」山本則俊

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~能を楽しむ 第3回 『能と謡による源氏物語・浮舟編』 ~
場所:蓮田中央公民館(埼玉県蓮田市)
時間:13時半開始
料金:前売り1,500円/当日1,700円

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