Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2009.09.23過去のHana第4回奥川恒治の会「山姥」3 ~「山姥アイ狂言の不思議」

9月26日(土)に第4回目の私の会で上演致します「山姥」のご案内その3です。

能は前半、後半に別れて上演する場合、狂言方がアイ語りをする曲が多いです。このアイ語りは、その昔その場所であった出来事等を語り、前半の登場人物を推測し後半へと繋げていきます。山姥のアイはワキに問われ、山姥には何がなるかという話をします。

1うつぼ・2桶・3鰐口(わにぐち)・4山芋(ところ)・5木戸(きど)→鬼女(きじょ)

最後はダジャレのようになっています。結局のところ何が山姥になるかのか?という結論は出ません。山姥とはそれほどに実態が掴みにくい存在なのです。

このアイ語りの中で山姥になるものは「物か草木」です。生命を持ち、言葉を交わす存在とはかけ離れているように思いますが、舞台上では実態としての山姥が現れ、遊女と言葉を交わし再会を約します。能のストーリーを補足し肉付けをするような通常のアイ語りとは趣を異にしますが、それが得体の知れない山姥をより盛り上げることになります。

今回のアイ語りは和泉流の石田幸雄氏です。ご紹介しました山姥の候補は5つでした。これは大蔵流の内容も含めておりますので、当日はここから3つの山姥候補がエントリーされることになります。何が出てきますか、楽しみにお聞きいただければと思います。

そして最後にキドからキジョへと落ちが付き舞台が和んだ頃は、中入の楽屋は装束の着替えも山場を迎え、着け手も鬼になっていることに違いありません・・・

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