Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2011.10.14過去のHana11月に舞う2番の能のご案内

11月は2番能を舞う機会を得ました。ありがたいことですので、気を引き締めて臨みたいと存じます。

11月5日(土)九皐会にて「班女」
この曲はまさに恋愛ドラマ!花子(シテ)は野上の宿の遊女です。
ある時吉田少将(ワキ)が訪れ、花子と契をかわし迎えに来る証にと扇を取り替えます。以後花子は仕事もせずに扇ばかり眺めています。そのため花子は宿の長(アイ)に追い出されてしまいます。
能はこの宿の長が花子を追い出すシーンから始まります。独特の始まり方が興味を引きます。
追い出された花子は泣く泣くどこへともなく行ってしまいます。(中入)
やがて吉田少将が現れ花子のことを尋ねますが、行方はわかりません。少将は都、下賀茂神社へ、花子もまた巡り巡ってやって来ます。最初は花子が狂女となっていたためすぐに気がつかない少将ですが、大切に持っている扇を見、二人は再会し晴れて夫婦となります。

11月27日(日)鎌倉能舞台にて「鉢木」
いざ鎌倉!の言葉の通り約束を果たし見事出世をする武士の話です。
北条時頼が最明寺入道となり身分を隠して諸国を廻って歩いた話は有名ですが、その最明寺が佐野(高崎)にやって来た時の話です。大雪のため先へ進めなくなった旅僧・最明寺(ワキ)は一夜の宿を頼みますが、妻(ツレ)に主の常世(シテ)が留守なのでと断られてしまいます。最明寺が帰りを待っていると常世は帰ってくるものの、あまりにもみすぼらしい家を恥、宿を断ってしまいます。しかし妻の助言により雪の中を追いかけ連れ戻します。宿は貸したものの夜が更けるに付け寒さも身にしみ、もてなす物もない常世は唯一の自分の楽しみである鉢の木(梅・桜・松)を伐り薪にします。問われるままに常世は今の身の上を語り、鎌倉に大事があればいの一番に駆けつける心意気を語って聞かせます。そして夜明けと共に二人は別れるのでした。(中入)
やがて鎌倉で関八州に号令がかかり武士は鎌倉目指して馳せ参じます。そこで常世は雪の日の旅僧、最明寺に再会します。最明寺はその時の返報にと加賀の梅田、越中の櫻井、上野の松枝田の3カ国と、自身の元の領地佐野とを授けるのでした。

どちらの曲もハッピーエンドがいいですね。
どうぞ宜しくお願い致します。

■観世九皐会11月定例
平成23年11月5日(土)13時開演 矢来能楽堂
能『班女』奥川恒治、狂言「鐘の音」山本則俊、能『女郎花』長山耕三
脇・中正面指定5000円 自由4000円

■能を知る会鎌倉公演 昼の部

平成23年11月27日(日)14時開演 鎌倉能舞台
能『鉢木』奥川恒治、狂言「鐘の音」山本 則重

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