Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2017.05.08お稽古のこと...

能楽堂にお稽古にいらっしゃる方は、みなさん10年、或いはそれ以上のキャリアになります。年月が経つと能楽堂でお稽古ができる、というシステムではありませんが、ここのお稽古場の方とは長いお付き合いになっているわけです。いつの間にか最年長となった方が、諸先輩の姿を思い出し、色々な面で不安をお持ちになっていました。先日より相談を続け、今日会の出演や稽古のあり方等、方針が決まりました。ご本人が納得いけばそれが一番ですね。今年のゆかた会では「鐘之段」の仕舞と「望月」の独吟です。さて、仕舞のお稽古を始めますと、扇で鐘を撞く動作をするので「撞く鐘を見て」と言うものの、動く扇が気になってなかなか鐘が見られません。やがて「鐘が大事なんです!」(私)、「鐘が!カネが!」ついに「お金がとっても大事なんですよ!」と邪道な道へ。ご本人大笑いの末、「覚えられました!」と。そこで気を取り直してもう一番、と舞っていただくと見事にクリア。年号を語呂合わせで覚えたような、しかしご本人は「覚えました!」と自信を持ったようでした。この「自信を持つ」が大事ですね!

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