Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2017.08.26舞台のこと...

長野県上田市での公演が無事に済みました。能は「鐵輪」(かなわ)と「碇潜」(いかりかずき)という2曲でした。「碇潜」はちょっと珍しい曲で、この度は「船出之習」(ふなだしのならい)という小書に、更に通常は出ることのない、安徳天皇役の子方を出すというスペシャルな物でした。この小書が付きますと、後半は全く違う形になります。大きな屋形船を出し、そこに二位の尼、大納言局、知盛に加えて安徳天皇が乗って出るわけです。入水のシーンがあり、最後は大きな碇を海中より引き揚げ、それを持って海に飛び込むというのが、ラストシーンになります。通常知盛一人で後半を勤めることを思いますと、曲が変わるという感じです。歴史的事実は別としまして、演劇的にはとても面白くなると思います。楽屋うちは大変ですが、甲斐があると言えましょう。とても盛況な公演となりました。ご来場の皆様、ありがとうございました。
ここは駅から裏道を歩きますと、とても景色がよく、風が気持ちいいのです。終演後は川沿の道を、駅まで散歩、豊かさを実感できる一時です。

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