Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2017.11.25舞台のこと...

鎌倉の県民能の「六浦」が済みました。難しい曲ですね、まるで「芭蕉」の手前のようです。
終演後のお話で、成仏した楓は枯れてしまうのでしょうかと、お尋ねがありました。確かに「草木国土 悉皆成仏」と言われますと、彼岸に到ることになりますので、現世を離れるとなります。つまり枯れてしまうように思えるのですが、和歌を詠んでいただく栄誉に預かり、心を持った楓の心が彼岸に行けた、と私は解釈しています。ですから楓の木自体は枯れることなく、在ると考えています。ここは希望を含めた、解釈の世界ではあります。
今日の鎌倉の紅葉は少し早かったようですが、青空に恵まれて「六浦」を上演できましたことは、上々といえましょう。感情や心を持たない、と思われるものを擬人化してしまうのは、とても日本的で物を大切に考える思考とよく合うと思います。「六浦」は良い出合いなりました。
週末の鎌倉は混んでいました。ご来場の皆さま、ありがとうございました。

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