Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2018.01.27舞台のこと...

今日は鎌倉能舞台の「県民のための能を知る会」でした。午前貫太氏の「胡蝶」、午後は健之介君の「箙」でした。我々の世代は年が近いため、勤める曲も自ずと似てくるので、「箙」は以前よく出ていました。それが一通り済み、昨今はあまり出ない遠い曲となっていましたので、10年以上になりましょうか、久しぶりに「箙」を謡わせて頂きました。
勝ち戦の修羅物を「勝修羅」と申しますが、気持ちいいものです。若武者が主人公の「箙」は、動きも謡もその様に作られていて、演じる人が若い人ならば、リアルさが増します。今日のシテの健之介君も、初々しく勤めていましたね。
終わってから、お父様の貫太氏と話していましたが、あっという間に年を重ね、思いもしない年令になったと、方丈記の冒頭が思い起こされます。若手の成長は楽しみに他ならず、先輩方から受け継いだことを、伝えていきたいと思います。ただ私達も、まだまだ先を目指して、更に精進を続け、先人の背中を追いたいと改めて思いました。
「箙」には20代の頃の思い出が色々と詰まっていまして、懐かしくも甘酸っぱい、香り立つ曲でした。

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