コラム

2018.04.15

朝方は激しい風雨に驚かされましたが、回復すればけろっとしたものです。気温は思ったほど上がらなかったようですが、晴れ間が顔を出しますと、気持ちいいものです。
今日は事務仕事Dayになりました。手際よくテキパキとは行きませんが、大きな宿題が片付きまして、肩の荷が下りました。
秋の自主公演の準備は、ボチボチ取りかからなければいけません。今年は大曲「砧」を披演させて頂きます。早め早めに準備を進めて、極力事務仕事の負担を、緩和していきたいと思っています。舞台に集中するためにも、時間のある時に片付けて行きたいところですね。
今年の曲「砧」と申しますと、私に始めてお稽古をしてくださった師匠、小島芳雄師(小島英明氏の叔父)の事を思い出します。芳雄師は私が6才で初めてお稽古に伺った時から、とてもかわいがって下さいました。そのおかげで、やがて内弟子に入門し現在に至ります。
芳雄師は晩年ご病気のため、足が思うにままならず、「砧」を勤めることが有りませんでした。そしてこの「砧」の披演をめぐって、後輩の方とのやり取りが未だに忘れられません。
ある方(芳雄師の後輩)に「砧」を舞われていかがですか、と話が出たところ、その方は「芳雄さんが披らいていないので、結構です」とお断りになりました。すると、芳雄師は「僕はもう砧はできなそうだから、やってください」と仰っていました。
その方は「砧」を勤められ、当時高校生だった私は、その舞台を片隅から拝見していました。準備をしながら、そんな曲を勤められるようになったのか、と思いますと、とても不思議な気持ちです。
お二方がお元気だった、ありし日の楽しい思い出がよみがえる、そんな午後になりました。

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観世流能楽師 奥川恒治能のHana

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