Hana奥川恒治が綴る日々のblog
2024.07.20舞台のこと...
若竹能が明日になりました。昨年は「鵜飼」(うかい)という、川に出る鵜使いの物語をしました。狙っているわけでは無いのですが、今年の「善知鳥」(うとう)は、陸で鳥を獲る猟師の物語です。
伝説のようでもありますが、物の本によりますと、ツガイとなった善知鳥の夫婦は、生涯相手を変えることはなく、一回に産む卵も一つなのだそうです。子鳥はまさに宝物となりますね。それを猟師に親鳥の鳴き真似をされ、反応した子鳥を捕まえられるわけですから、それは残酷な猟といえます。そのさまを空で見ている親鳥は、血の涙を流し、それに当たれば猟師も絶命します。蓑笠を身に着け逃げ惑うのですが、手向けられた笠を子鳥に見立て、捕まえた後、笠を掲げて逃げ惑うシーンも再現されます。明日はこの場面を、通常と変えて致します。より場面が広がり、猟師も命がけで臨む猟であることが、強調されます。
当日のお席もご案内可能です。暑い中、ちょっと冷たくなるような、ヒヤッとした能の世界へ、お出掛け下さい。お待ちしております。