Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2025.03.14舞台のこと...

 朝一番の新幹線に乗りまして、大阪へ。どれくらいぶりになるのか記憶にありませんが、大槻能楽堂へ参上しました。長山耕三氏の自主公演、「耕三の会」の申し合わせです。
 お能大好きな長女さん、「花月」(かげつ)の能に挑戦です。若々しく、元気一杯に舞っていました。
 もう一番はご本人の「楊貴妃」(ようきひ)。曲名を見ますと、なんとなく華やかで雅な印象を受けますが、さにあらず。
 玄宗皇帝の命で、死後の貴妃の魂魄を訪ねる物語です。玄宗皇帝にとっては、悔やみきれない貴妃の非業の死。楊貴妃は、能の中では仙宮に仙女として生まれ変わりますが、計り知れない孤独の中、一人で大御殿に居ます。仙宮が大きければ大きいほど、その孤独感は大きさを増します。
 現世では天国と地獄を見、死後の世界では立派な宮に一人居ます。大切なものとは何か、問いかけてくるような、冷えた厳しい曲です。
 本番は3月23日(日)、また楽しみに参りましょう。

耕三の会

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