Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2025.04.14舞台のこと...

 4月九皐会の「小塩」(おしお)が、昨日済みました。お問い合わせもありましてので、前シテの尉面につきまして。
 銕仙会、馬野氏所蔵の笑尉(わらいじょう)と、いう面でした。名前の通り、笑みを浮かべたような顔立ちです。この笑みの加減によって、かなり印象が変わります。
 「阿漕」(あこぎ)や「善知鳥」(うとう)といった、殺生をしていたため、後半で地獄に堕ちて苦しむ老人と、「融」(とおる)や「小塩」(おしお)のように、後半貴公子となって優雅に舞う人、どちらも同じ笑尉で勤めることができます。が、地獄で苦しむ人と貴公子では、やはり違う顔でないと具合が悪いですね。更に「小塩」は、春の桜満開のシチュエーションですから、明るい感じでいて、含蓄も欲しい。そんなわがままを含んだ笑みで、品が悪くない理想的な面でした。
 面がいいと、舞台はより引き立ちますから、私も昨日は随分助けられました。感謝、感謝です!

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