Hana奥川恒治が綴る日々のblog
2025.04.16舞台のこと...
今日は「小塩」(おしお)のまとめです。昨日も話題にしましたが、在原業平を主人公にしたもう一つの曲に、「雲林院」(うんりんいん)があります。こちらは季節を同じく春に設定していますが、高子との逃避行がクセに入っていたり、どちらかというと陰な印象です。対して「小塩」は花見の場面からはじまり、クセでは伊勢物語の1段から12段の武蔵野の物語など幅広く、深刻ではない陽な印象でした。
サシは124段(最終章の一つ前)の歌ではじめますから、一代記のようでもあります。このやり方は世阿弥作の「井筒」(いづつ)でも見られる手法で、「井筒」では高安通いからはじめ、子供の頃の背比べの話に戻します。作者禅竹は意識して作ったのでしょうかね。
いろいろと試みて作りあげた作品のように思いましたし。遊び心と申しますか、力の抜け感と申しますか、塩梅で随分と印象が変わりますので、その点はとても難しいという感じでした。
なにがともあれ、上半期の課題曲が済みまして、ホッとひと息でした。また、次に向けてはじめます。
ありがとうございました!