Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2024.04.12舞台のこと...

 今日は4月九皐会の申し合わせがありました。能は1部「桜川」シテ小島英明氏、2部「邯鄲」シテ坂真太郎氏でした。
 私は「邯鄲」の地謡でした。「藁屋」(わらや)の小書を付けての上演です。シテの盧生(ろせい)は、通常宮殿のイメージの作り物の中で舞うのですが、「藁屋」になりますと、豪華な宮殿の屋根から、藁の屋根に変わります。50年の栄耀栄華を味わう盧生を、それは藁の屋根の下で見ている夢なのだと、客観視する演出です。お客様には盧生が昇れば昇るほどに、その姿が滑稽に見える、面白くもちょっと皮肉な演出です。
 「何事も一睡の夢」と悟り心機一転旅立つ盧生青年、春の門出多き時に似つかわしい曲といえましょう。

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