あらすじ
『砧』 | 九州芦屋の某が訴訟のため都に出かけ三年が経ち、留守居をしている妻は、不安な日々を送っていました。そんな折、侍女夕霧が今年の暮には帰るという、嬉しい便りを持って都からやって来ます。更けゆく秋の静かな夜、どこからともなく聞こえてくる砧を打つ音。妻は自身の気持ちが夫に届くようにと、願いを込めて砧を打ちます。しかし、今年も帰れないという無情な知らせが届き、妻は息を引き取ります。知らせを受けた夫は急いで戻り、妻の弔いをしていると、成仏できずに苦しんでいる妻の亡霊が現れるのでした。 |