Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2008.04.24過去のHana善の世界・限の世界

四月九皐会で「善界[ぜがい]
」を務めました。この曲は曲名の「善界」という文字から受ける印象とは異なり、仏法を妨げようと唐から日本へやって来る、天狗の首領の名前なんです。前半は日本の天狗の首領「太郎坊」に会い、比叡山を襲う企てをします。後半は天狗本来の姿となり、比叡山のお坊さんと対決をします。唐では首領だった善界坊も法力の前には歯が立たず、見事なまでに惨敗し、命からがら逃げ帰るというお話です。

前半はあまり動きもないのですが、後半は動き詰めに動きます。最初は天狗の首領らしく威風堂々とシッカリ動いて、法力に打ち負かされてからは大慌てに忙しく動きます。体力的にもとてもキツイ能です。随分前に稽古能で一度させて戴きましたが、その時でもかなり大変だと思っていました。今回が本番の舞台での初演となりましたが、やはり後半は大変で、終演後もなかなか汗が引きませんでした。体力的にはキツイので、加齢と共に遠ざかる曲なのですが、こういう能が大好きなんです。今回に懲りずに、まだまだこういう曲にも挑戦したいです。体力の「限」はまだもう少し先のこと、としたいものです。

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