Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2017.04.25お稽古のこと...

謡のお稽古も年数が経ちますと、節や速度だけではなく、その役の言葉はどんな気持ちで言うといいのか?と言うような話にもなります。「安達原」という曲では、ワキの山伏は「一夜の宿を貸したまえ」と鬼ババと知らずに宿を借ります。ここではどんな風に借りるのだろう。修業を積んだ凄い山伏がちょっと強気で、また陸奥の旅先で修業を積んだ身としても夜露は厳しく、お願いして。そんな話しをして考えてもらいます。それぞれに自身の山伏像ができ、気持ちが変わり、自ずと謡も変わります。ここが能の演劇としての楽しさの一つでしょうか。グループのお稽古の場合、色々な山伏が現れ、それぞれの人の浮かび上がるイメージを聞いているのは、僕としましても楽しい所です。

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