Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2019.05.03舞台のこと...

鎌倉能舞台の県民のための能を知る会が済みました。私は「巴」を勤めさせていただきました。「巴」は以前、こちらの舞台で勤めさせていただいておりました。
私は今回「巴」の上演にあたりまして、義仲のことを考えていました。巴御前に「女だから最後に一緒に討ち死にすることは許さない」、という件があります。これが巴御前の執心になるわけですね。この点はとても解りやすいです。
ここで義仲は自身の面子のため、と考えられるのですが、それだけなのでしょうか。死なせたくない、とも考えられ、愛した女を死なせたくないと思うのは、現代的な気もしますが、それは時代を越えるように思います。
諸説、伝承がありまして、真偽のほどはさだかではありませんが、千年経っても変わらない、人間の営みを鑑みますと、愛した人を大切にする義仲であって欲しいと願います。
新しい試みも致しました。課題も残りますが、これから再演する機会に恵まれれば、曲を改めて見つめ直し、新たな可能性を模索したいと思います。
本日はありがとうございました。

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