観世流能楽師奥川恒治 能のHana

今日も春の暖かな一日、日中は暑いほどでした。卒業の季節、入学入社のための準備期間ともいえましょう。来月から内弟子入門の次男を連れて、師匠の元へご挨拶に参上しました。
今を去ること36年前(随分時間経ってるな〰️)、観世喜之家へ内弟子入門しました。ご存命だった大奥様が、日の良い日を選んでくださり入門、本当の意味で修行が始まりました。
当時、多いときの内弟子は6名、師匠のご家族と合わせますと、最大12人という大所帯でした。若い男子6名、食事を考えただけでも、恐ろしいものがあります。かく言う私も、朝からパン1斤食べておりましたし！全員の稽古となれば一日がかり、何もかも大仕事だったことと思います。今にして思いますと、ありがたいことでした。
「あっという間だね」と師匠、感慨深そうにしていらっしゃいました。私も時の経つ早さに驚きつつも、当時のことを懐かしく思い出しました。大奥様のご位牌にも、ごあいさつさせていただきました。大勢を育てたビッグママ、見守ってくださることと思います。
これから、ここで経験する全ての事が、将来の糧となり肥やしとなることでしょう。精一杯の努力と精進を期待したいと思います。