Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2020.08.24お稽古のこと...

 能といいますと、「じっとしていて眠くなる物」というイメージを、お持ちの方が多くいらっしゃいます。そういった曲もありまして、以前見に来てくれた友人が、「ひと眠りして起きたら、君は微動だにしていなかったが、あれが芝居か?」と聞かれたことがありました。見た目はそうなので、「今回はそいう芝居なんだよ、内心は激しく動いているんだけどね」、と答えました。ちょっとハードル高い感じですね。
 ただそれだけではなく、激しく動く曲もあります。仕舞のお稽古でも、そういった曲にチャレンジしますと、大方の人は戸惑います。今までにない動き、鏡に写った自分から思わぬクセを発見、思わず笑い出す方もいらっしゃいます。
 今の時期は、人と話して楽しんだり、笑いあったりができにくい状況です。お稽古の合間でも、笑えるようなことがあれば、それは貴重な時間になるように思います。
 このところ、社会は微妙な緊張感に包まれているようで、大切な物を見失いそうです。わずかながらでも、緩和という時間を作れないものかと、試行錯誤しております。

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