Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2021.08.27舞台のこと...

 本日は「道成寺」の申し合わせでした。今回は大阪の大槻家の鐘を拝借しています。加えて能楽堂とは別の、市民会館での催しとなりますので、全てが一期一会の世界です。
 「道成寺」の場合はシテが鐘に飛び込むタイミングを計り、鐘を落とします。それは鐘後見に一任されているのです。問題は常に舞台の鐘を釣っている滑車と、鐘の重さの組み合わせが変わるところです。
 微妙な速度ながら、落ちる時間が変わるのです。鐘を落とす塩梅は、コンマ何秒の世界なので、僅かの違いは大問題です。
 そして当日はシテ具合を見て、鐘を落とすことになります。怪我と背中合わせの大舞台、無事に勤められますよう、心を落ち着かせて臨みたいと思います。

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