観世流能楽師奥川恒治 能のHana

　今日も秋晴れ、紅葉の見頃を迎えているところは、さぞや見事な事と存じます。朝歩いていますと、ご近所の葉も色付いている所が増えました。立冬の本日は、午前中から夜までのお稽古日となりました。
　仕舞も進みますと、型が体に馴染んで参ります。そしてそんな頃に、少し変化した型をしますと、ひじょうに違和感を覚えます。例えば右足を引いて座っていたものを、左足を引いて座るに変える。大した事なさそうなんですが、体が覚えてしまった後では、やり難い事になってしまいます。よほど意識していないと、慣れているやり方に体が反応してしまうんですね。見た目には難しそうに見えませんが、違った難しさとなります。とはいえ、こちらにも慣れますと、さらなるステップアップは必定、「できる」アイテムが増えることになります。
　小さい事を一つ一つ積み重ねて、「できる」を増やしていくことも、お稽古の楽しみ方の一つになりましょう。やっている人でなければ解らない難しさ、そこもお楽しみいただけるといいですねー！