Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2022.04.20お稽古のこと...

 今日は朝から曇天、朝は道のあちらこちらが濡れたままで、小さな水たまりもありました。午後出掛けるときには、あがっていた雨がシトシトと降り出しました。やはり冷えますね。
 本日は「通盛」講座の2回目、阿波の鳴門で平家一門の菩提を弔う僧と、舟に乗っている主人公(老翁と女)たちとが出会う場面になります。夜の暗闇の中、主人公の舟は静かな海上で聞こえる音を頼りに、舟を寄せます。舟に付けた、かがり火に照らし出されたのは、岩の上で読経する僧でした。僧は舟のかがり火で更に読経を続け、老翁は漁(殺生)をするためのかがり火が、救済のための救いのともし火になったことを喜びます。
 漆黒の闇の中のかがり火は、この海に果てた平家一門の魂の、光明のとなったことでしょう。僧と老翁たちのなんでもない出会いの場面ですが、その意味は海のように、また佛の慈悲のように、深いものでした。
 さて、次回はいよいよ前半のハイライトへと進みます。選びぬかれた言葉と、奥行きの深いシチュエーション、世阿弥の自信作は楽しみがつきません!

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