能のHana

コラム

2022.09.14

 能を一番勤めるにあたって、師匠より型付けをいただきます。型付けとは動きが書いてあり、どの場面で何をするのかが、わかるようになっているものです。これは能を舞う上での、命脈になるものです。それに加えて、諸先輩の時々の工夫や、別のやり方等も教えていただき、最終的に自分でまとめて、一曲の構成となります。稽古では、それを通して見ていただき、具合の悪いところを修正していきます。
 先日の九皐会で「通盛」を勤めさせていただきました。お許しをいただいて、させていただいた工夫を含め、自身の型付けをまとめなくてはいけません。あまり時間が経過しますと、記憶が曖昧になります。空き時間を利用して、今日完成しました。これが済みますと、やっと曲を終えられた気になり、晴れ晴れとします。
 私たちは再演の機会は、なかなか無いのですが、自分が勤めた証になります。そして、大先輩たちが、「型付けは絶対のものではなく、一つのメモですよ」と、仰っていたことが、わかるやうになってきました。好き勝手にやるのではなく、型を踏まえた上で、核となる「心」が大切。わきまえた上での自由さは、きっと良いものになると思われるのです。

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観世流能楽師 奥川恒治能のHana

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