Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2023.04.21舞台のこと...

 一昨日は弘前よりとんぼ返りで、国立能楽堂へ、九皐会別会の申し合わせに参りました。
 初番が「住吉詣」(すみよしもうで)シテ鈴木啓吾氏、止めが「望月」(もちづき)、シテ遠藤喜久氏という番組です。
 「住吉詣」は大掛かりな能です。「熊野」と同じ花見車と、「江口」と同じ屋形船が出ます。そのうえ、立ち役が13名という大所帯、国立能楽堂のような大きなところでなければ、できませんね。
源氏物語の源氏と明石の上の再会の場面をモチーフに、描かれた作品です。源氏は流浪の身から、押しも押されぬ地位を築き、その勢いは留まることを知りません。そんな源氏を表現するために、多くの従者が源氏に続き舞台狭しと並びます。
 ワキ方、狂言方を除いて、シテ方11名、内3名が子方で、この子方の装束が大変です。他では使わない物を必要とします。立ち役と地謡で手薄となった楽屋は、大忙しです。滅多に出ない不慣れな曲ですから、ミスの無いように心して、勤めさせていただきたいと思います。
 「望月」は「古式」の小書、替え演出での上演となっています。際立って替わるところは仇討ちの場面で、能らしくなく、古式といえば古式ですが、現代的ともいえます。ここはネタバレになりますので、ご覧いただくの でしょう。
23日㈰が公演日です。
どうぞ宜しくお願い申し上げます 

観世九皐会 4月別会

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