Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2023.06.18舞台のこと...

 今日も暑い夏日になりました。午前中に社中のお弟子さんの稽古をしまして、午後は国立能楽堂に「県民のため能を知る会」の、東京公演に出勤しました。
 本日の能は「草子洗小町」(そうしあらいこまち)、替装束(かえしょうぞく)の小書が付いていました。私は後見を勤めさせていただきましたので、後半は後見の仕事が多いことでした。
 今日はなんと申しましても、師匠喜之師の仕舞「卒都婆小町」(そとばこまち)の、地頭を勤めさせていただいたことです。幾度となく地謡に入れていただき、何度も謡っておりますが、地頭を勤めるのは初めて、更に舞い手は師匠ということで、かなり緊張感の高い舞台でした。こんな日が来るとは思っていませんでしたが、時の流れでしょう。
 「卒都婆小町」は99歳になった小野小町に、失恋した男が取り憑き、自身が小町のもとに通ったように、年老いた小町にさせるものです。老女には過酷な責苦、それを演じるのですね。能楽の世界では老女の曲は特別な扱いです。地頭をさせていただいたことも滅多にありませんが、師匠とご一緒させていただいたことは、貴重な宝となります。父の日の恩返しになればと願います。
 家では子供たちから、お酒をプレゼントしてもらいました。

カテゴリー

バックナンバー