道成寺へ向けて・熊野紀行 その壱 | 能のHana

過去のHana道成寺へ向けて・熊野紀行 その壱

2010.01.22

6月の道成寺に向けて、熊野へ行って参りました。本宮・新宮・那智と三山を回って参りましたので、ご報告方々ご紹介致します。

今を去ること11年前「道成寺」を初演させて戴きました。その折は紀州道成寺にお参りに伺い、日高川も直に見たのですが、熊野までは参りませんでした。安珍・清姫の物語は安珍が熊野詣に行くため、途中で泊めてもらう家が真砂の荘司の家で、そこに清姫もいたわけです。これでは「行かずばなるまい」といったところでしょうか!

南紀白浜空港までヒトッ飛び、ありがたいことですが現地は雨、雨でした・・・雨とはいえ、レンタカーなれば何ほどのこともあるかと、先ずは本宮目指して出発しました。途中滝尻[たきじり]王子[おうじ]立ち寄りました、ここからが熊野中辺路[なかへち]の聖域になるのだそうです。

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20100122aこの滝尻王子向かって右側に、入口が開け放たれたお土産物屋さんがありました。中から人なつっこそうなご主人が「日本一の粗茶を御馳走しますよ、寄って行って下さい」と声を掛けて下さいました。お言葉に甘えて中に入りお茶をご馳走になりながら、熊野のお話を伺いました。私が能楽師で「道成寺」のために来た由を話しますと、「荘司の屋敷跡・清姫の誕生の地」というのを教えて下さり、地図まで描いて下さいました。熊野には一通りの勉強をして参りましたが、回り方など有りますか?とご主人にお尋ねしたところ、「特にありません、その時回って出会った熊野が最高だと思って下さい」とのことでした。

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素朴で温かい人の情に触れ、何となく勇気付けられたのですが、この一言が後々大変な実感と共に、大きな感動を呼び寄せることになろうとは、この時の私は思いもしなかったのでした。

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観世流能楽師 奥川恒治能のHana

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