舞台のこと

2019.07.09

前回、9月16日(月・祝)の第14回奥川恒治の会の「屋島」の弓流という、替え演出のお話しを致しました。本日はその続きで、奈須与一語(なすのよいちがたり)につきましてです。
 平家方が船の上で扇を高く上げ、射落とせるかと、挑発します。挑発と言いましても、なにやら優雅な感じもしますが。
ここで退いては名折れとばかり、総大将義経は弓の名手与一を任命します。両軍固唾を飲むなか、与一の放した矢は見事扇を射ぬきます。両軍の大歓声を受ける与一、源氏軍大いに面目躍如となります。
この有名な扇の的の話を、間狂言が語るのが「奈須与一語」という小書です。俗に奈須語りと申しますが、狂言師にとりまして、大変重い習い物(師匠の許しが無いと不可)の演目になります。通常は能の前半の物語を、解りやすく語るのですが、ここでは扇の的の物語を、一人芝居の形で演じます。奈須語りは独立した形で上演できますので、「屋島」に奈須与一語が付きますと、能と狂言を1曲の中で、それぞれ見られるような感じです。
その一人芝居を野村萬斎氏が勤めてくれます。こちらも楽しみの一つになろうかと思います。

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観世流能楽師 奥川恒治能のHana

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