観世流能楽師奥川恒治 能のHana

今日も日中は暑い日になりました。お稽古場へ入っていらっしゃる方も、「暑い〰」または、「涼しい～」と、一言こぼれます。もう一息でしょうか、残暑に負けないように、気を付けなくては、ですね！
「天狗」のことをお尋ねになる、お弟子さんがいらっしゃいました、それも義経にまつわってという事で。能の中の天狗は、仏教に敵対関係を持つ、敵役として出てくることが多いです。ただ、どちらかと言いますと、やられキャラ、やっつけられることがほとんどです。その辺が愛嬌でしょうか。
ただ、ご質問の義経の関係の天狗は、鞍馬山の大天狗で、良い者です。この天狗さんは、義経に兵法の奥義を授け、影のごとくその身に寄り添い、力添えをしましょうと約束していきます。義経の神がかり的な強さの秘密は、ここにあったのでしょうか？
京都鞍馬寺には、羽団扇の紋が付いていまして、大天狗をしのぶことができます。貴船へつづく山道を歩きますと、義経にまつわる旧跡も紹介されています。同じ場所で、幼少期の義経が過ごしたのかと思いますと、不思議な感じがします。
木の根が這う山道ですが、思い出していると、また行ってみたくなりますね！