能のHana

コラム

2021.02.04

 日本の冠(かんむり)と申しますと、公家や武家の成人が宮中へ参内の折など、頭に着用した物になります。現代でも宮中の行事の他、神職さん着けたり、祭礼で使われたりしています。
 この冠は黒い漆で塗り固められていて、後方には巾子(こじ)といって、髷(まげ)を結ったまま収める、突起部があります。その後ろには纓(えい)と呼ばれる、紗の黒の半透明の物を付けます。いろいろと細かいルールもありますが、それほさておき。
 この冠も紐で頭に着けるのですが、形が独特なため、普通の紐では着けられません。専用の、私達は「割紐」(わりひも)と読んでいますが、それを使います。写真ではわかりにくいのですが、一つに組んできた紐を、途中で二本に分け、また一本に組み直すという、大変凝った作り方です。製作のためには、二人一組で作業するのだそうですが、現在は作れるところが少なくなりました。
 仲間の組紐職人さん、新しい試みで割紐を作ってくれました。現代に適したやり方になっていて、それは大切なことですね。 
 それにしましても、組紐にはなんだか惹かれますねー!

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観世流能楽師 奥川恒治能のHana

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