Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2021.03.14舞台のこと...

 三月九皐会が済みました。私は2部の「鞍馬天狗」白頭に出演いたしました。
 何度見ても、花見の稚児は可愛らしくて、ほのぼのします。花見の稚児とは、「桜の花が咲いて見頃だから、見にいらっしゃいよ」と誘われて、お寺で預かっている子供たちを連れて、お花見に行く場面です。通称「花見」と言われ、子供はお兄ちゃんお姉ちゃんと一緒に、初めて玄人舞台に出るということも、昔からありました。今日もお姉ちゃんの後に続く弟くんは、座っている時も寄り添うようで、なんとも微笑ましい光景でした。
 もう40数年前になりますが(オソロシイ😅)、同じく九皐会で「鞍馬天狗」白頭が出ました。その時は、今日のシテの観世喜正師が花見の先頭で、私が牛若丸を勤めさせていただきました。今日はシテと地謡に別れ、喜正師は牛若丸を勤めた長女和歌ちゃんと、私は地謡を次男恒成と、それぞれ親子で一緒の舞台を勤めさせていただきました。ちょっと感慨深いものがありました。  
 時の流れは無常な速さを感じますが、花見の子たちが舞台をにぎわせてくれると、嬉しくなります。太鼓を勤めた観世結子さんも、花見の稚児たちも、若い芽がキラキラして、これからが楽しみなことです。
 ご来場の皆さま、ありがとうございました。

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