Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2021.09.19舞台のこと...

 本日は緑泉会でした。初番は「千手」(せんじゅ)、中所宜夫氏と鈴木啓吾氏でした。この曲は小書(こがき)、替え演出が多く、今日のように小書が付かない方が、珍しいくらいです。舞の部分が長くなりますので、上演時間も長くなります。
 もう一番は「鵜飼」(うかい)、桑田貴志氏でした。こちらは鵜を使うことに魅了され、殺生を生業とし止めることのできない、業を持った人の話でした。やはり、地獄行きの予定だったのですが、お坊さんを一晩お世話した功徳で、閻魔大王に救ってもらえます。メデタシメデタシ!
 さて、今日の狂言は「月見座頭」(つきみざとう)という、名曲でした。大曲なので、定例会では珍しいと思います。座頭とは盲目の人で、月見に出かけた男が、座頭に声を掛け物語が展開します。虫の音を聴きに来たと答える座頭、その聴く風情は素晴らしく、月見の男と意気投合し、酒宴よろしく、詩歌、舞と、聞きどころ、見どころが続きます。
本日は座頭を大藏吉次郎師、月見の男を大藏教義氏が勤めました。親子での共演、お二人共楽しかったのではないかと、推察しております。
 私は最初から最後まで、拝見できまして、とても得した気分です。最後の件が、些か難儀ではありますが…。

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