Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2021.11.11舞台のこと...

 東京は今日も秋晴れ、昨日の山口県は落ち着かないお天気でしたが、こちらに居ますと嘘のようです。
 本日は県民能横浜公演、能は「鉄輪」(かなわ)という曲でした。夫が一方的に妻を離縁し、新しい妻をめとるという、ありそうな話ではあります。怒りに燃える前妻は貴船神社に詣でて、自身が鬼になりたいと願います。夢見の悪かった夫は安倍晴明に相談したところ、女人の深い恨みのため、今夜にも命が危ないと告げられます。清明は夫と後妻を人形に転じ替え、鬼と化した妻の矛先にします。前妻は「時を待つため、ひとまず帰ろう」と、どこへともなく姿を消します。
 前妻が後妻に見立てた、祭壇の髪の毛を手に巻きつけ、打つ場面など、写実的でわかりやすく、物語も現代に通じるため人気曲の一つですが、なんとも恐ろしくも、悲しい物語です。
 本日も多くのお客様にご来場賜りました。ありがとうございました。

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