Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2022.04.11舞台のこと...

 今朝は若竹会(稽古能)の通し稽古でした。曲は「善知鳥」(うとう)、シテは永島充氏、なかなかの難曲です。
 親子の情を逆手に取ったやり方で猟をしていた猟師が、死後、目の前にいる我が子に近づこうとすると、雲が掛かって我が子の姿は、見えなくなってしまいます。生前の因果が巡る場面です。猟師は報いを受け、更に地獄の責め苦に合うという、陰惨な曲です。生まれた環境も含め、生きるために行った猟のやり方が残酷なもので、許されざるものでした。
 こうなりますと只々、暗い気がしますが奪った命で、私たちも生を繫いでいると思いますと、日々の食事をはじめとした、諸々への感謝も変わろうというものです。
 私も稽古能で、一度舞わせていただきましたが、未だ本公演では勤めておりません。いつか勤めてみたいと思う、一曲です。

カテゴリー

バックナンバー