Hana奥川恒治が綴る日々のblog
2022.07.02舞台のこと...
今日は鎌倉能舞台で、「県民のための能を知る会」がありました。
午前の部は「俊寛」、シテ中森貫太氏、午後の部は「小督」(こごう)、シテ佐久間二郎氏でした。
俊寛僧都は平家転覆を後白河法皇と企てるものの、事前に事が発覚し、鬼界ヶ島に流罪となります。中宮徳子の出産平癒のための恩赦からも外れ、流罪となった同胞に捨てられ、一人島に取り残される俊寛の「あはれ」。
小督の局は高倉天皇の寵愛が厚かったため、入内した徳子のライバルとなってしまい、案じられた清盛から、追われる立場となります。外戚という野望を抱いた清盛にとって、許しがたい事というのは、用意に想像できます。
どちらも平家物語に因んだ曲で、「別れ」がテーマになっていました。俊寛はクーデター未遂で仕方ないのですが、小督の局は清盛の都合、政治の都合で、高倉天皇のもとから離されてしまいます。どちらも一筋縄の人間模様ではなく、政治絡みの厳しい人間模様でした。
本日は午前、午後ともに大勢のお客様に、ご来場賜りました。お暑い中、ありがとうございました。