烏帽子折後記 「つなぐ」へ | 能のHana

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2013.05.01

新緑が輝く季節、皐月になりました。若葉が陽の光を浴びて輝く姿はなんとも目映く心浮き立ちます。早くも先月の事となりましたが、4月27日には九皐会別会が盛会となりました。ご来場賜りました皆様には改めまして御礼申し上げる次第でございます。

駒瀬氏の「卒都婆小町」に続き、私も次男と共に「烏帽子折」を勤めさせて戴きました。
「烏帽子折」は世話物的要素や滑稽を含めながら、能としての奥行きを保つある意味で大変貴重な曲だったと思います。冠婚葬祭の最初の儀式烏帽子(冠)を着す元服や、守り刀の謂れを知り主に返す件などほろりとする場面があれば、奥さんの兄弟を知らない旦那や空威張りばかりしている盗賊達。場面転換の多さは芝居を解りやすくしていますが、それに伴う人が大勢必要でした。装束を着けて出演した役者だけで19名、他に地謡、後見、囃子と総勢33名以上の人が舞台に上がりました。また、舞台上に出演しない楽屋の人たちも大忙しの奮闘でした。一門総出の一番となり、改めて驚き、また感謝いたしております。

私ども親子にとりまして「烏帽子折」は大変名誉で記念の一番となりました。子供には能の曲の作りや集中力の継続といった事を学んでもらえればと思っております。コツコツと地道に努力することの凄さ、素晴らしさも体験できたのではないかと思います。私は済んでホッとしておりますが、子供と一緒はやはり鍛えられるなーという感じです。最後の子供との斬り組は面白かったです、二人ともかなり本気でやってましたし!!!

9月29日には私の会の「安宅」で子供は義経、私は家臣の辨慶(仲間)として出演します。子供の子方もそろそろ卒業でしょうから、存分に勤めたいと思っております。今年子供は「烏帽子折」、「安宅」と義経の半生を勤めます。大変な幸運と稀有なご縁だと思います、ぜひそれに見合った成長をと願っております。また、この日は「橋辨慶」の仕舞から始めますので、義経の生涯を追いつつ「つなぐ」をテーマに上演したいと思っております。「橋辨慶」の子方には3歳からお稽古を始め4月から小学2年生になった井ヶ田有紀が勤めます。
いろいろな「つなぐ」を思いつつ、8回目の奥川恒治の会に臨みたいと思います。こちらもどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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