舞台のこと

2020.02.05

 本日は「弱法師」第3段です。俊徳丸はご本尊の前に座り、四天王寺の縁起を語り始めます。実際の舞台では地謡が謡う部分を担当しますので、俊徳丸の心情を代弁する形になりますね。
 そこでは四天王寺が、聖徳太子によって建立されたことが、語られます。その古、蘇我氏と物部氏は戦をします。若き日の聖徳太子は、父用明天皇と共に蘇我氏の側で戦います。蘇我氏が劣勢に立った時、太子は一つの誓願を立てます。「もし、この戦に勝たせていただけたなら、四天王を祀る寺塔を建立しましょう」。蘇我氏は戦に勝ち、太子は四天王寺を建立します。やがてご本尊には救世観音菩薩(ぐせかんのんぼさつ)が据えられます。この菩薩さまはこの世の苦しみを救うといわれていまして、現世に苦しむ民の大きな支えとなったことと思います。
俊徳丸もこの菩薩様に寄り添い、心の安穏を願ったことでしょう。静かに座っておりますと、やがて天王寺の鐘の音が辺り響き渡ります。皆さまとこの鐘の音を共に聞き、響き渡る浦々の景色を眺め、時の経過を感じられればと願っております。
ここでは盲目之舞ならではの型もありまして、じっくりご覧頂ければと思います。

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観世流能楽師 奥川恒治能のHana

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