Hana奥川恒治が綴る日々のblog

2024.09.10舞台のこと...

 第19回奥川恒治の会の入場券が、発売になりました。今年は「定家」(ていか)という曲で、藤原定家(小倉百人一首の選者)と、後白河天皇第三皇女、式子内親王(しょくしないしんのう)との、「忍ぶ恋」の物語です。
 式子内親王は賀茂斎院として10年程勤め退下後、和歌の師匠である藤原定家と「忍ぶ恋」の仲となります。
やがて式子内親王は亡くなり、その御墓の石塔には定家の執心が蔦葛(定家葛)となって、はいまとわり、互いに地獄の苦しみを味わっていました。式子内親王は都女の姿で現れ、旅僧に弔いを願います。僧の読経で定家葛は緩み、解放された式子内親王は報恩に舞を舞います。ところが、成仏するかと思った式子内親王は、自ら石塔へと戻り、それを喜ぶかのように定家葛は再び石塔を覆います。
 果てしのない物語で、成仏完結するよりも、はるかに難儀な男女の機微を扱った曲です。今回は難解な曲をよりお楽しみいただくため、公演当日に小林健二先生に、曲の解説をしていただきます。
 ワキの旅僧には人間国宝の宝生欣哉師にお相手を願い、間狂言には同じく人間国宝の山本東次郎先生に、お願いしております。東次郎先生の語は、間違いなく聴きどころとなります。上演時間2時間程の大曲「定家」、宜しくお願い申し上げます。

第19回奥川恒治の会「定家」

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