観世流能楽師奥川恒治 能のHana

　今朝は9月に入ってからの猛暑日になる可能性があると、昨日の33度を超えるのでしょうか。かなり厳しい残暑です。
　今日は銀座シックスの観世能楽堂で、鎌倉能舞台の東京公演がありました。曲は「葵上」(あおいのうえ)、源氏物語でもとりわけ有名な、六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の物語です。
　そういえば、生霊(いきりょう)というものを、この曲に携わる時に調べました。相手を呪い殺そうというのではなく、自身の意識コントロールができなくなった時、睡眠時などに自身の意思ではなく、強い怨心が相手を苛む。本人が無自覚な分、加減もありませんから却って恐ろしいものがあります。その事に気がついた源氏物語の中の御息所は、苦しみと恐れを抱いていましたね。
　源氏物語の当たり年、本日は満員のお客様にご来場賜りました。本日もありがとうございました。