Hana奥川恒治が綴る日々のblog

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2020年02月09日舞台のこと

2月九皐会が終わりました。初番は「雲林院」、観世喜正師でした。古い書き付けに、緋の指貫、白の業平菱の狩衣で勤めたとの記述があったそうで、今日はその姿で後シテを、お勤めでしたね。型も古い書き付けに沿って、変わったものになっていました。仕舞ではお馴染みの曲なので、お稽古をされた方は、ことに楽しめたことと思います。 「鉢木」は何度見ても、痛快な物語で、シテもご熱演でしたね。芝居をしすぎないようにと...続きを読む

2020年02月08日舞台のこと

冬晴れな心地よい土曜日になりました。2月29日(土)の若竹能の「弱法師」のご紹介、第5段です。 日想観を済ませ、いよいよこの度の特別演出(小書)、盲目之舞(もうもくのまい)となります。この小書がなければ、舞台を半回りするほどの道程で、舞う心で動きます。盲目という状況を知らない私たちには、この位の動きがちょうど良いのではないかと、思われます。それは、舞うとなりますと、どうしても動きたくなり、余...続きを読む

2020年02月07日舞台のこと

本日は九皐会の申し合わせでした。能は「雲林院」観世喜正師と「鉢木」駒瀬直也氏でした。 共に名曲、趣向の全く違う曲です。 「雲林院」は在原業平が主人公の、優雅な曲、まさに幽玄の世界です。 「鉢木」は鎌倉武士の心意気を描く曲です。「いざ鎌倉」という言葉は、ここから生まれたほどで、低迷期に歯を食いしばり、出世する痛快な、現在進行形の劇です。 私は「鉢木」の地謡のお役をいただいております。お役...続きを読む

2020年02月06日舞台のこと

本日は冷えましたねー、最強寒波とか、目の覚めるような冬らしい日になりました。昨日に続きまして、「弱法師」第4段です。 四天王寺の縁起を語り、お寺の鐘の音が響く頃、日想観(じっそうかん)の時になったと、俊徳丸は告げられます。日想観、なんとも聞きなれませんが、彼岸の中日に沈む陽に向かって、心静かに念仏を唱えますと、西方極楽浄土に迎えてもらえるという仏事です。 俊徳丸が最初に身体や杖で確かめた...続きを読む

2020年02月05日舞台のこと

 本日は「弱法師」第3段です。俊徳丸はご本尊の前に座り、四天王寺の縁起を語り始めます。実際の舞台では地謡が謡う部分を担当しますので、俊徳丸の心情を代弁する形になりますね。  そこでは四天王寺が、聖徳太子によって建立されたことが、語られます。その古、蘇我氏と物部氏は戦をします。若き日の聖徳太子は、父用明天皇と共に蘇我氏の側で戦います。蘇我氏が劣勢に立った時、太子は一つの誓願を立てます。「もし、この...続きを読む

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